2012年2月2日木曜日

大河ドラマ論

<1月16日>(月)

○NHK大河ドラマの『平清盛』は、脚本があまり練れてないなと感じるのだけれど、映像といい俳優陣といい、なかなかの出来栄えじゃないかと思う。まだ2回目だけど。少なくとも、戦国・学芸会みたいな『江』は終わってよかった。大河ドラマでは、女性を主人公にすると視聴率が上がるらしいのだが、作品的には目を覆わんばかりのことが多いので、あたしゃ好かんな。

○で、ここは衆目の一致するところであろうと思うのだが、今回の『平清盛』の中で異様な存在感を発揮しているのが白河法皇である。『坂の上の雲』の中では、秋山兄弟のよき父を演じていた伊東四郎が、まさしく妖怪のような「権力の権化」を演じている。「てんぷくトリオ」の時代を記憶している者の一人としては、あの鬼気迫る演技には本当に瞠目するほかはない。

○ということで、思わず調べてしまったのだが、白河天皇は20歳で即位している。当時はまだ摂関政治の最中であったところを、果敢に親政を目指した。そして、「8歳の息子に譲位して上皇として政治を行なう」という必殺技を繰り出す。世にいう「院政」の始まりである。爾来、77歳で崩御するまで、白河法皇は延々と最高権力者であり続けた。これって日本史上の権力保持・最長不倒距離じゃないだろうか。

○余談ながら最後の頃は文字通りやりたい放題状態で、たしか渡辺淳一先生が小説化しておられましたが、ええ、それはもう恐ろしい、格調高い当サイトとしては、口に出すことも憚られるようなご無体をなさいまして・・・(以下検閲)。

○この絶大なる白河時代への反動として、保元・平治の乱から武士の世の中へと時代は激動していく。「長期政権の後には政治が不安定化する」という法則を絵に書いたような展開である。長期政権下では世の中は安定するのだが、いろんな怨念もばら撒いてしまうものらしい。

○そこでふと思いついたのだが、ここ数年続いている「1年で首相は使い捨て」時代は、実は小泉時代が5年続いたことの反動なんじゃないだろうか。2009年に自民党が下野したことで、とりあえずは清算が済んだのかと思っていたが、民主党政権下においても短命政権が続いている。

○今の防衛大臣を見ていると、どう見ても問責決議案提出は時間の問題である。野田政権は3月を待たずして崩壊するんじゃないかなあ。日本の国防や沖縄県民の心理をさておいて、民主党内のご都合だけで重要ポストの人事を決めるからそんなことになるので、あんまり同情する気にもならんのだが、このまま何も出来ずに玉砕するのかと思うと、少しは惜しくもある。

○他方、日本銀行の総裁は長期政権になるのかもしれない。つまり「白川法皇」ということで。

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