2012年2月10日金曜日

地雷語


会話を台無しにする「地雷」は多くの場合、最初の一歩目、「しゃべりだし」に埋まっている。 

 「とりあえず」「じゃあ」「でも」……。何気なく発する最初の一言。これで相手の信頼を失ったり、耳を塞がせたりしてしまうことは実に多い。やっかいなのは、発した本人に自覚できるほどの悪意がないこと。 ふと目を合わせ、相手の顔色が変わっていることに驚く。だがもう遅い。まさしく地雷だ。 
 どんなに会話のスキルを上げても、冒頭で失敗しては何もできない。話し方トレーニングの基礎編は、この地雷を避ける、あるいは処理するところから始めよう。 

地雷語は大別して7種類 
 地雷語は大きく分けて7種類ある。「転嫁」「上から目線」「脅迫」「否定」「決めつけ」「拒絶・遮断」「反抗」だ。  これらの言葉が人を不快にして、時に怒りを買ってしまう理由は以下の通り。 

●転嫁…聞き手に「あいつは卑怯だ」という印象を与えてしまう。 

●上から目線…実際にどちらの立場が上かということに関係なく、「自分の方が上」と聞こえる。 

●脅迫…相手を不安にさせようとしていると受け止められる。 

●否定…自分の意見に反対だと思わせる。 

●決めつけ…自分の意見や価値を低く見積もっていると感じさせる。 

●拒絶・遮断…これ以上会話の意思がないと思わせる。 

●反抗…攻撃の意思を感じさせる。 

 そんなことは分かっている、という方も多いだろう。では分かっていれば、地雷を踏まないかというと、実はそうでもない。やむにやまれず、気持ちを抑えきれずに踏んでしまうこともよくある。 
 「まずい!  やってしまいそうだ!」と思ったら、正解欄の「言い換え」を思い出して冷静に処理しよう。いい仕事は職場の「地雷除去運動」から始まるのかもしれない。 



地雷語1 「とりあえず~してみました」 
「とりあえず作りました」 
 「とりあえずはいらないから。ちゃんと作って持っておいで」。ああ、ボスは目も通してくれなかった……。 

なぜダメなのか 
 不備を指摘された時の言い訳にしようという意図が伝わってしまう。 



地雷語2 「言い訳はしたくないのですが」 
「言い訳はしたくないのですが、部品の納品が……」 
 不機嫌な顔で「言い訳しているじゃないか」と返され、二の句が継げなくなった。 

なぜダメなのか 
 「これから話すのは言い訳です」と白状しているようなもの。「じゃあ、するな」と返されるのが関の山だ。 



地雷語3 「私は構わないのですが」 
「私は構わないのですが、メンバーが何と言うか……」 
 すると上司は「君がリーダーなんだから、構わないなら進めればいいじゃないか」と返されてしまった。 

なぜダメなのか 
 こういうことを言う人は、「私」が一番「構う」ことが多い。卑怯な言い方だと受け止められる。 



地雷語4 「一応~」 
「一応、クレーム処理が済んだので報告いたします」 
 即座に「一応とは何だ。ちゃんと報告しなさい」と言われ、しどろもどろになってしまった。 

なぜダメなのか 
 「一応」はよけいなセリフ。謙遜のつもりだったとしても、言わない方がいい。逃げの姿勢も見える。





地雷語5 「ダメならダメでいいんですけど」 
「ダメならダメでいいんですけど、理由は何ですか」 
 即座に「ダメでいいなら説明しなくてもいいだろう」と切り返されてしまった。 

なぜダメなのか 
 Eさんのセリフは完全な開き直りであり、逃げだ。それで話を聞いてもらおうという方が間違っている。 



地雷語6 「ある意味~」 
 「ある意味ではご指摘の通りだと思います」 
 と答えたところ、不機嫌な顔で「じゃあ、他にどんな意味があると思うんだ。言ってみなさい」と返された。 

なぜダメなのか 
 この言葉から始めると、どういう意見でも許される空気を作る半面、「逃げ」や「否定」の印象を相手に与える。 



Q1 × 「とりあえず作りました」→「作成しました。お目通しいただけますでしょうか」 
 これしかないだろう。 

Q2 ×「言い訳はしたくないのですが、部品の納品が……」→「申し訳ありません。実は業者からの部品の納品が予定を大幅に遅れまして……」 
 まず率直に謝る。そのうえで主張すべきところは主張する。 

Q3 ×「私は構わないのですが、メンバーが何と言うか」→「その考え方には私は同意できません。なぜなら……」 
 責任回避しようとせず、自分を主語に立てて正面突破を図ろう。 

Q4 ×「一応、クレーム処理が済んだので報告いたします」→「クレーム処理の報告をさせていただけますでしょうか」 
 余計なことは言わない。 

Q5 ×「ダメならダメでいいんですけど、理由を聞かせてください」→「今後の参考に、ダメな理由をお教えいただけますか」 
 「指摘されたダメな部分を今後の仕事に生かしてみせます」という真摯で前向きな姿勢をアピールする。 

Q6 ×「ある意味では、ご指摘の通りだと思います」→「ある意味では」を取る。 




2012年2月5日日曜日

ためになるリンク.2012

孫子の兵法
http://maneuver.s16.xrea.com/cn/sonshi.html
http://xpp.sakura.ne.jp/sub/sonshi/

ノートのとりかた
http://www.hello-school.net/
http://study.005net.com/note.htm
http://www.kanjuku-times.com/200809/sp1.php

律令官制下の官職
http://www.sol.dti.ne.jp/~hiromi/kansei/

歴史、模擬授業
http://blog.goo.ne.jp/c-rodience/c/45a62b38722a0bb689c7473191bb763a/12

豆知識、金属の比重
http://www.city.takaoka.toyama.jp/ex/tmte/mame/kinko.html

アジアの歴史
http://www.ugoky.com/chizu/ugoky_chizu.swf

大学受験
http://j-history.idea-mix.net/link.php


律令国家建設への道のり
http://www4.kcn.ne.jp/~yukiharu/kodai1_purorogu.htm

飛鳥時代
http://www4.kcn.ne.jp/~yukiharu/kodai1_kokusaitosi.htm

奈良時代
http://www4.kcn.ne.jp/~yukiharu/kodai4%20narajidai.htm

平安時代
http://www4.kcn.ne.jp/~yukiharu/kodai4%20heiannjidainopurorogu.htm



2012年2月2日木曜日

大河ドラマ論

<1月16日>(月)

○NHK大河ドラマの『平清盛』は、脚本があまり練れてないなと感じるのだけれど、映像といい俳優陣といい、なかなかの出来栄えじゃないかと思う。まだ2回目だけど。少なくとも、戦国・学芸会みたいな『江』は終わってよかった。大河ドラマでは、女性を主人公にすると視聴率が上がるらしいのだが、作品的には目を覆わんばかりのことが多いので、あたしゃ好かんな。

○で、ここは衆目の一致するところであろうと思うのだが、今回の『平清盛』の中で異様な存在感を発揮しているのが白河法皇である。『坂の上の雲』の中では、秋山兄弟のよき父を演じていた伊東四郎が、まさしく妖怪のような「権力の権化」を演じている。「てんぷくトリオ」の時代を記憶している者の一人としては、あの鬼気迫る演技には本当に瞠目するほかはない。

○ということで、思わず調べてしまったのだが、白河天皇は20歳で即位している。当時はまだ摂関政治の最中であったところを、果敢に親政を目指した。そして、「8歳の息子に譲位して上皇として政治を行なう」という必殺技を繰り出す。世にいう「院政」の始まりである。爾来、77歳で崩御するまで、白河法皇は延々と最高権力者であり続けた。これって日本史上の権力保持・最長不倒距離じゃないだろうか。

○余談ながら最後の頃は文字通りやりたい放題状態で、たしか渡辺淳一先生が小説化しておられましたが、ええ、それはもう恐ろしい、格調高い当サイトとしては、口に出すことも憚られるようなご無体をなさいまして・・・(以下検閲)。

○この絶大なる白河時代への反動として、保元・平治の乱から武士の世の中へと時代は激動していく。「長期政権の後には政治が不安定化する」という法則を絵に書いたような展開である。長期政権下では世の中は安定するのだが、いろんな怨念もばら撒いてしまうものらしい。

○そこでふと思いついたのだが、ここ数年続いている「1年で首相は使い捨て」時代は、実は小泉時代が5年続いたことの反動なんじゃないだろうか。2009年に自民党が下野したことで、とりあえずは清算が済んだのかと思っていたが、民主党政権下においても短命政権が続いている。

○今の防衛大臣を見ていると、どう見ても問責決議案提出は時間の問題である。野田政権は3月を待たずして崩壊するんじゃないかなあ。日本の国防や沖縄県民の心理をさておいて、民主党内のご都合だけで重要ポストの人事を決めるからそんなことになるので、あんまり同情する気にもならんのだが、このまま何も出来ずに玉砕するのかと思うと、少しは惜しくもある。

○他方、日本銀行の総裁は長期政権になるのかもしれない。つまり「白川法皇」ということで。

2011年予想

<1月5日>(木)

○今年も出ました!バイロン・ウィーンのビックリ大予想2012年版です。

http://finance.fortune.cnn.com/2012/01/04/byron-wiens-surprises-of-2012/ 

○せっかくですから、ごく簡単な訳を10位まで付けておきましょう。


1.シェールガス革命で転機到来。リビアとイラクの増産、世界経済の減速効果もあって石油価格は1バレル85ドルに低下。

2.米国企業は業績好調でS&P500指数が1400超え。資源価格低下とコスト削減努力が寄与。

3.米国経済の成長率は3%超え、失業率は8%割れ。石油安と株高で個人消費が復調。

4.オバマ大統領が、ロムニー候補を破って再選。反現職機運に乗って、民主党は下院で多数を奪回するも、上院では過半数割れ。

5.欧州は債務危機への包括プランを編成し、通貨ユーロは維持される。ギリシャは債務再編へ。金融システム崩壊は回避するが、不況は続く。

6.ハッカーによる銀行荒らしが勃発して、G20が緊急会合。

7.投資家は、経済運営が賢明なスカンジナビア通貨、豪ドル、シンガポールドル、韓国ウォンを選好する。

8.米議会に危機感が芽生え、与野党は大統領選挙前に支出削減で合意。ブッシュ減税は延長へ。

9.「アラブの春」がシリアにも飛び火。アサド一家の支配が終焉。

10.経済成長続くも、株式市場が低迷してきたエマージング諸国が活況。中国、インド、ブラジルの株式指数は二桁上昇。


○昨日紹介したユーラシアグループの「Top 10 Risks」が悲観論の典型ならば、こちらは楽観論の典型といった風情がありますな。両方が出揃うと、新しい年が始まったという気がします。

日本はすごい・・・らしいw。

<2月1日>(水)

○やや旧聞に属する話なのだが、年初のNYT紙オピニオン欄にこんな記事が出ている。日本は失敗した国だ、というのは丸っきりのウソであって、実はとっても上手にやっているんじゃないか、というのである("The Myth of Japan's Failure" By EAMONN FINGLETON Published: January 6, 2012 )。

○その証拠に、といって挙げている事実は以下のようなラインナップである。

●Japan’s average life expectancy at birth grew by 4.2 years - to 83 years from 78.8 years - between 1989 and 2009. This means the Japanese now typically live 4.8 years longer than Americans. The progress, moreover, was achieved in spite of, rather than because of, diet. The Japanese people are eating more Western food than ever. The key driver has been better health care. 

●Japan has made remarkable strides in Internet infrastructure. Although as late as the mid-1990s it was ridiculed as lagging, it has now turned the tables. In a recent survey by Akamai Technologies, of the 50 cities in the world with the fastest Internet service, 38 were in Japan, compared to only 3 in the United States. 

●Measured from the end of 1989, the yen has risen 87 percent against the U.S. dollar and 94 percent against the British pound. It has even risen against that traditional icon of monetary rectitude, the Swiss franc. 

●The unemployment rate is 4.2 percent, about half of that in the United States. 

●According to skyscraperpage.com, a Web site that tracks major buildings around the world, 81 high-rise buildings taller than 500 feet have been constructed in Tokyo since the “lost decades” began. That compares with 64 in New York, 48 in Chicago, and 7 in Los Angeles. 

●Japan’s current account surplus - the widest measure of its trade - totaled $196 billion in 2010, up more than threefold since 1989. By comparison, America’s current account deficit ballooned to $471 billion from $99 billion in that time. Although in the 1990s the conventional wisdom was that as a result of China’s rise Japan would be a major loser and the United States a major winner, it has not turned out that way. Japan has increased its exports to China more than 14-fold since 1989 and Chinese-Japanese bilateral trade remains in broad balance. 

○ほかにも、「JFK空港やダレス空港に比べると、日本のインフラの方が新しい」とか、「日本ではペットがとてつもなく甘やかされている」など、いちいちごもっともな指摘があるので飽きません。一服の清涼剤と思ってご一読ください。

○で、ちょっと不思議だなと思ったのが、「東京ではバブル崩壊後に、高さ500フィート(150メートル)以上の建物が81棟も建っている」という指摘である。はて、そんなにあったかな、と思ったのだが、たまたま今日、品川駅近くに所用があった際に納得しましたな。あの一帯はまさしく新築ビルのラッシュで、雨後のタケノコのような様相を呈している。なるほど、こりゃすごい。

○ということで、日本って結構すごいんですぜ、というお話でした。