氾濫した河川の跡に自生した小麦が大量に生えていたのを発見したことから始まったのでしょう。
それを収穫した人々は、何時の日か、自分で小麦の種を植えることを始めたのではないでしょうか。
肥沃な大河の水を利用することで農耕ができるようになった。
それは、河川の氾濫によって、大量の肥沃な土砂が毎年供給され、
そこに種を撒くだけで比較的簡単に栽培することのできる小麦を植えることで農耕を行うことができた。
それまで行っていた狩猟が極めて不安定にしか食料を確保できなかったことに較べて、
農耕を行うことで、安定した食料の確保(食い扶持が増やせたということですな。)が可能になり、かつ、
狩猟や採取のように、動物や季節ごとに変わる実りを追う必要が無くなり、
同じ場所で同じように農耕を行った方が効率が良いことから、定住が進んだのだと思われます。
定住が進むということは、都市が生まれたということです。さらに農耕によって生まれた余裕は、
人々を食べるための生活、生きるためだけの生活から、さまざまな文化的な活動が行えるように変貌させました。
ヨーロッパを中心とするユーラシア大陸に住んでいたネアンデルタール人は、
氷河期が近づいているにも関わらず、その場に居座り続けたのではないか、
それが原因となって絶滅したのではないかと考えられているからだそうです。
一方、我々の祖先であるホモ・サピエンス・サピエンスは、アフリカを起源に、
ヨーロッパ、アジア、北米、南米と移動を続け、住む場所を変えてきた
私たちの祖先とネアンデルタール人が現れたのは、約20万年前、そしてネアンデルタール人が絶滅したと言われているのは、
約2万年前です。仮に、このあたりで『言語』が発明されたとすると、
約18万年間の間、私たちの祖先とネアンデルタール人は、同じような生活様式を守り続けて共存していたと考えられます。
そして、約2万年前に『伝承の発明』である『言語』が発明されて、ネアンデルタール人は滅びました。
その後、我々の祖先であるクロマニョン人は、四大文明が興る約5千年前まで、狩猟と採取という生活様式を、
約2万年前から約5千年前までの約1万5千年間、守り続けてきたと言うことです。
後で述べますが、この四大文明の発祥には、言語に続く『伝承の発明』が大きく関わっています。
動物に襲われたときに、「危ない!」と仲間に教えることや、狩りをするときに、「右に追い込め!」と指示をすることから、狩りの心得を村の子どもを集めて教えたり、
お爺さんや曾お爺さんの狩りの自慢話を伝えることができるようになった。これは、とりもなおさず、『伝承』が始まったということです。
もちろん、狩りは言語が無くても伝承することはできるでしょう。例えば、村の大人が子供を狩りに一緒に連れて行って、見よう見真似で狩りを覚える。
というのも伝承の一つです。ただ、現代を生きる皆さんからすると、どれほど効率が悪い伝承の方法であるかは、すぐにでも想像できると思います。
これらのことから、
「言語の発明は、一番最初の『伝承の発明』であり、これによって人類(ホモ・サピエンス)は、生き延びることができた。」
と言えると思います。
ただ、人類が言語を発明(獲得)するには、何万年もの時間がかかっているということを覚えておいてください。
ぼくは勉強が嫌いだ。しかし歴史の本と話は大好きだ。
どうしてなのかはわからないが、時間を忘れて本を読んでしまうし
これからも勉強していくぞ、と誓えるほどである。
自由研究のテーマは去年から決めていた。「ゼロの概念」である。
おととしは理科、去年は社会だったので、つぎは算数でいくという考えだった。
「ゼロの発明はインド人が最初だ、インドの小学生は3桁の掛け算を暗算で出来るらしいぞ」
すごいなぁ、と思ったからだ(算数は嫌いではないが計算は面倒くさいからやだ)
ゼロのレポートを書くなら文明を調べなさいと言われ、
ふむふむ、「ぶんめい」かぁ・・・、辞書を開いた。
文明・・・人知が進んで世の中が開け、精神的、物質的に生活が豊かになった状態。
特に、宗教・道徳・学問・芸術などの精神的な文化に対して、
技術・機械の発達や社会制度の整備などによる経済的・物質的文化をさす。
対義語・・・野蛮、未開
母に聞いた・・・アメリカ人が重んじるのは文明、フランス人が重んじるのは文化
父は・・・文明=便利なもの、便利になっていくもの、文化=変わらないもの、変わってはいけないもの
ヒトは猿が進化した、ぼくは家でよく「おさるさん」と呼ばれる。あほだから・・・。
そして決まったタイトルは「人間について」。猿と人間の違いを調べようということで。
ラテン語で、Homo=人、Sapience=賢い、という意味なのだそうだ。まずはwikiを書き写す。
そしてマインドマッパーに思ったことを書き出し、並べ替えて線で結び、関連づけていく。
「進化」や「文明」をググって、エクセルに並べ、地図にしるしをして、
少しだが自分の言葉をいれながら紙に書いていった。
そこで思ったこと、「人間が発明した一番すごいものってなんだろう」。
思いついたことをまた、マインドマッパーに入れていく。
コンピューター、インターネット、スペースシャトル、飛行機、自動車、電気、医学、電話、鉄砲、・・・。
数えきれないなぁ、と思った。
「マグロをそだてる」「文明の衝突」「21世紀に生きる君たちへ」を読んでひらめいた。
「紙とえんぴつ」・・・。これこそが人間の最大ともいうべき発明。
文明は言葉、ヒトに伝えるために文字、紙。
マグロを研究した大学チームは成功まで32年を費やした。リーダーが亡くなっても
若いひとたちでレポートを引き継ぎ、研究はつづいた。観察記録は紙だ。
2%の生存率、1ヶ月で全滅、産卵なし・・・。そして2002年、育てたマグロが産卵した!
32年もずっと毎日マグロを観察して大変だったと思う。
本を読んだ次の日、母にねだったトロは格別おいしかった、トロっとして・・・。
アメリカやフランスにマグロを取るなと言われてももう大丈夫、近畿大学のみなさんありがとう!
いまはもういない司馬さんも
いつの時代になっても、人間が生きていくうえで、欠かすことができない心構えというもの
と、ぼくたちの世代のために書いてくれた。紙に残ったら世代が変わっても気持ちは伝わる。
僕のこのレポートを、ぼくが大人になって、オッサンになったとき読み返したら
ぼくはなんて思うのだろう、そのときぼくに息子がいたら見せてあげられるだろうか。
伝えること。恥ずかしがらずに紙に残そう。
地球のいきものとして、賢い猿として、日本人として胸をはって。 08/31/2010 kanzo
参考文献
「マグロをそだてる」江川多喜雄
「文明の衝突」サミュエルハンチントン
「21世紀に生きる君たちへ」司馬遼太郎
映画「戦国自衛隊1549」
戦国自衛隊1549
まとば隊長が織田信長になりかわって、「この時代から日本を造りかえる」だなんて
すごい話です。戦車、ヘリコプター、機関銃、さすがの信長でも勝てないよ。
斎藤道三は寝返るし、上杉謙信、武田信玄が味方になるし
江口が帰ったあの時代、やっぱり次は秀吉だったのだろうか・・・続きを知りたいよ。
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